履行拒絶権の「存在効」

民法改正:履行拒絶権の「存在効」
期限の定めのない債権を譲り受けた者が,債務者に対し,履行の催告。
これで,債務者は遅滞に陥る(民412Ⅲ)と思いきや,そうではなかった。
実は,譲渡禁止特約のある債権であり,しかも譲受人は悪意だったからである。
債務者には,履行の拒絶権があり(民466Ⅲ),この拒絶権を行使することもできる(行使効)し,行使しないで,譲受人に対して履行をすることもできる。
そのいずれを選択したとしても,この拒絶権の「存在効」により,遅滞には陥らないのであった。
*では,どうすれば,債務者を遅滞に陥らせることができるのかを,学者は議論して
います。
@中田裕康・債権総論(第4版)633頁(2020年,岩波書店