瑕疵の修補に代わる損害賠償債権をもって報酬全額の支払い

請負瑕疵収保請求権に変わる損害賠償請求権と代金 最高裁平成9年

リーガルクエス民法Ⅳ 有斐閣・2021年・331頁
民法判例百選Ⅱ 第8版 70事件 工事代金請求事件

最高裁判所第3小法廷判決/平成5年(オ)第1924号

平成9年2月14日

【判示事項】       請負契約の注文者が瑕疵の修補に代わる損害賠償債権をもって報酬全額の支払いとの同時履行を主張することの可否

【判決要旨】       請負契約の目的物に瑕疵がある場合には、注文者は、瑕疵の程度や各契約当事者の交渉態度等にかんがみ信義則に反すると認められるときを除き、請負人から瑕疵の補修に代わる損害の賠償を受けるまでは、報酬全額の支払いを拒むことができ、これについて履行遅滞の責任も負わない。