同時履行の抗弁や
留置権の抗弁のような,請求権に対し,その履行を拒絶する抗弁の原型は,ローマ法のexceptioというものでした。
これが,中世ローマカノン法のexceptio jurisへ引き継がれ,さらに,ドイツ
民法の「実体法上のEinrede」へと発展しますが,それは,次のような抗弁であるとされてきました。
ア 請求権に対して,その履行を拒絶する機能が認められるものである。
イ この抗弁が認められるためには,被告が,当該訴訟手続において,当該抗弁を行使するとの主張(=権利主張)をすることを要する。