国際裁判管轄

裁判官は渉外訴訟が苦手
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上海にある共有マンションの共有物分割訴訟で、当事者は全員日本在住の日本人。
東京地裁は、国際裁判管轄が日本にあるとした上で
民事訴訟法3条の9に該当するとして、訴えを却下しました。
いやいや、ちょっと待った・・。
民事訴訟3条の9も,国際裁判管轄の有無に関する規定だよ。
同条に該当するのとするのであれば、
「国際裁判管轄が日本にない」との理由で訴えを却下すべきでした。
酒井一教授・ジュリスト1500号164頁
なお、同教授によると、実質的に非訟事件である共有物分割訴訟は、共有物の所在地国に専属国際裁判管轄があるとのことです(要件事実マニュアル1巻395頁にも書いておきました)。
つまり、上海のマンションでは、民事訴訟法3条の9を持ち出すまでもなく、日本に国際裁判管轄が認められなかったということです。
草鹿 晋一、安田 有次郎、他54人
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