福井県福井市大丹生町の国道305号で2016年4月、走行中のトラックに積まれていた角材が落ちて対向車のフロントガラスを突き破り、運転していた男性=当時(43)=が死亡した事故で、業務上過失致死の罪に問われた同市、製材所経営の林和真三被告(62)の論告求刑公判が6月7日、福井地裁(渡邉史朗裁判長)であった。検察側は禁錮2年を求刑し、弁護側は無罪を主張した。

 検察側は論告で、角材の適切な落下防止措置をしておらず、事故を予見することは容易だったと主張。運転していた元従業員は現場のカーブで急加速、急ブレーキ、急ハンドルなどをしておらず運転に問題はなかったとした。

 弁護側は最終弁論で、角材の積み方について元従業員に以前から指導しており「特に問題があるとは認識していなかった」とし過失がないと主張。「想定外の運転が原因だった」などと述べた。

 起訴状によると、林被告は元従業員らとトラック荷台に結束バンドで縛られた角材束8体をロープで固定する際、▽荷台前方に付ける▽2段目以上の角材束には2カ所以上にロープをかけ固定する▽ロープと角材の間に緩衝材を挟む―など適切な落下防止措置を講じないまま、元従業員にトラックの運転を命じた過失があるとされる。判決公判は7月17日。

 元従業員は自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪で禁錮1年6月、執行猶予3年が確定している。

 
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