刑法の一部を改正する法律の施行に伴う関係規定の適切な運用について(警察庁)

刑法の一部を改正する法律の施行に伴う関係規定の適切な運用について(警察庁

(通達)
 第193回国会において、刑法の一部を改正する法律(平成29年法律第72号。以下「改正法」という。)が成立し、平成29年6月23日に公布され、同年7月13日から施行される。改正の趣旨等については、「刑法の一部を改正する法律の公布について(通達)」(平成29年6月23日付け警察庁丙刑企発第47号ほか)により示したとおりであるが、各都道府県警察においては、下記の点に留意して、関係規定の適切な運用を推進されたい。

 なお、法務省から各検察庁に対して、改正概要等を示した通達(別添参照)が発出されたので、参考とされたい。


1関係規定の適切な運用
(1)適正かつ緻密な性犯罪捜査の推進
 性犯罪捜査については、これまでも組織的かつ重点的に推進してきたところであるが、悪質重大な性犯罪に対して厳正な対処を求める国民の期待に応えるためには、これまで以上に、適正かつ緻密な性犯罪捜査の推進が求められる。特に、改正法により構成要件に変更のあった罪、新たに規定が設けられた罪等については、収集した証拠資料や関係者から得られた供述を吟味した上で、関係規定の適切な運用を図ること。

(2)警察本部による指導の徹底
 性犯罪捜査においては、従来から各都道府県警察本部に設置された性犯罪捜査指導官等により、被害の届出から事件終結まで継続的に指導を実施しているところであるが、強姦罪等の非親告罪化を含め、今回の改正に関する事項についても、警察本部による捜査指導をよりきめ細やかに実施すること。


指導教養の徹底
 性犯罪の認知時においては、刑事、生活安全部門の捜査員を始め、様々な警察職員がその対応を求められることがあることから、改正法の規定内容等とともに、被害者の心情に配意した対応がなされるよう十分な指導教養を実施すること。

3体制の整備
 性犯罪捜査を担当する係への女性警察官の配置等を引き続き促進し、被害者の望む性別の警察官によって対応することができる体制の整備に努めるとともに、今回の改正規定が適切に運用されるよう、警察職員に対する指導教養を行う体制の整備に努めること。

4性犯罪への組織的対処
 改正法の内容を含めた関係規定の適切な運用を図るとともに、より適正かつ緻密な性犯罪捜査を推進するため、性犯罪については、被害相談の段階から警察本部で確実に把握するなどにより、組織的対処がなされるよう徹底すること。

(別添:省略)